暑かった今年の夏、子どもたちは水遊びを存分に楽しんでいました。そんな日々の生活の中で、さくら組(年長)の子どもたちが夢中になっていたのが"郵便屋さん"です。かわいいバックを肩からぶら下げ事務所に入ってきては、「郵便でーす」と、バックの中から自分で書いた手紙を取り出して届けてくれていました。手紙には「いつもありがとう」「だいすき」など一生懸命書いてくれた文字やかわいい絵が書かれていました。手紙は他のクラスの保育者や、給食室の扉もトントンとたたいて届けていたようです。給食室を開けるとたくさんの子どもたちからの手紙が、大切に壁に飾ってありました。そしてさくら組の部屋には給食さんからのお返事が貼られていて、温かな交流がなされていた事を嬉しく感じました。気持ちを伝えるために文字を覚えていくなんて、とても素敵なことですね。

先日、引越しの為に退園となったゆり組(4歳児)のお友だちがいました。
最後の日に、クラスの子どもたち一人ひとりが描いたお手紙を写真と共に、クラスの担任がアルバムにしてお渡ししました。その子の保護者から後日連絡があり、我が子がアルバムを見ながら大号泣し、ずっと大事に抱えて持っているという話を聞きました。子どもたちの感情はこんなにも育っているのですね。胸が熱くなるエピソードでした。コロナ禍でソーシャルディスタンスが日常となり、人と人との距離が少しずつ遠くなっていく中で、想いは必ず伝わるのだと子どもたちから教えてもらいました。

社会だけでなく地球レベルで大きな変化が起こっている今、子どもたちの未来を大人である私たち一人ひとりが、責任をもって守っていかなければと心から思います。
そして全力で今を生きている子どもたちから、たくさんの元気をもらっている事に感謝をしながら過ごしていきたいと思います。

（園長　矢野久美）